From シンヤ(男女のパートナーシップ研究所)
※火曜日のブログは夫シンヤが担当します
(→前回のつづき)
育休を取る前に、僕が予想していたこと。
それは、
「大変だけど、子育てを通して心が充実する」
ということでした。
ところが、その予想に反して、僕の心は予想外の方向に向かっていきました。
育休が始まってしばらく経った頃、僕の中にイライラがたまってくるのを感じました。
僕は上の娘(2才半)の担当ですが、ちょうどイヤイヤ期のまっただ中です。
①僕が何か指示を出すと、すぐに「やらない!」と言う。
②保育園に行く前の朝食を食べるペースがゆっくり過ぎて、遅刻しそうになる。
③ちょっと急かしただけでギャン泣きして、動きがすべて止まってしまい、逆効果になる。
④せっかく料理したご飯を、まったく食べない。デザートやお菓子ばかり食べたがる。
⑤1度機嫌を損ねると、ご飯をボイコットすることで、怒りを表現する。いつもは大好きな食べ物でも、決して食べない。ムリヤリ食べさせようとしても、口から出してしまう。
⑤妻のサヤが下の子にかまっている時に、自分に注目が来ないと、スネてしまう。
⑥下の子が寝ている時に大きな声で叫ぶので、「起きちゃうから静かにして!」と言うと、一瞬でギャン泣きして、今よりずっと大きな声で叫ぶ。
⑦深夜~早朝に起きて、オモチャで遊び始める。注意するとギャン泣きして、僕も目が覚めてしまい、寝不足になる。
といったように、とても反抗的な態度を取るのです。
言葉を覚えてきたばかりとはいえ、僕の言葉はあまり理解できず、娘の言葉も僕が理解できないことが多いので、上手に意思疎通ができません。
とにかく、「イヤだ!」という感情を、全力で出してくるのです。
下の子の泣き声のパワー
さらに、下の赤ちゃん(2ヶ月)も、夕食時にものすごい勢いで泣き続けます。
まるでセミが泣いているように、一定のリズムとメロディーを保ちながら、「オッギャー!オッギャー!オッギャー!」と赤ちゃん独特の泣き方を、ずーーーーーーっと続けます。
身体は小さいのに声のボリュームがすごく大きくて、僕の鼓膜はダメージを受けます。
元気なのは良いことなのですが、ずっと泣き声を聞き続けるとストレスがたまってくるのです。
だっこすると一時的に収まるのですが、抱き方が気に入らないと、またすぐ泣きます。
また、1度収まっても、ゆりかごに置くとまた泣きます。
上の子が生まれたばかりの頃には、「子どもに聞かせるとイチコロで寝てしまう魔法の歌」として国内で最も有名な、反町隆史先生の「ポイズン」という曲にお世話になりました。
YouTubeで動画をかけると、本当にすぐ寝付いたのです。
多くの子育て世代にとって、ポイズンはまさに「伝家の宝刀」だと思います。
伝家の宝刀が効かない?!
でも、2人目の赤ちゃんには、なぜかポイズンがあまり効きません。
これは後から知ったのですが、ポイズンの効果には個人差があるようです。
効かないとなると、もう残された道はだっこしてあやすしかありません。
でも、だっこすると両手がふさがれて、何もできなくなります。
そこで、僕はもう1つの伝家の宝刀を発動させました。
上の子の時にも大活躍した「ベビーケターン」というアイテムです。
これは布製の抱っこひもで、肩にかけた布で赤子を包み込むだけなので、セッティングが早くてラクです。
ケターンを使えば、だっこしながらも両手がフリーの状態になります。
特に夕飯の時には下の子がよく泣くので、僕は赤子をケターンに包んだ状態で、だっこしながらご飯を食べるようになりました。
ところが、ちょっとした問題が起こりました。
ケターンの中にいても、僕が座って動きを止めると、再び泣くのです。
泣き止ませるためには、常に立ってゆらゆらしなければなりません。
これでは、ゆっくりご飯を食べられません。
さらに、ケターンを使うとベビーのヒジがちょうど僕の胃袋の位置に来て、圧迫されます。
この圧迫感に加えて、常にユラユラと揺れ続けながらご飯を食べるわけです。
そんなことを1週間続けるうちに、僕の胃はダメージを受けて、キリキリと痛むようになってきました。
仕方なくケターン使用を控えて、再びゆりかごに置くようになりました。
そして、やはり毎晩泣きます。
下の子が泣くと、上の子もつられて泣いて、大合唱になることもあります。
僕は甲高い声を大ボリュームで聞くと耳鳴りがする体質なので、耳栓を用意して自分の鼓膜を守るようにしているのですが、2人の子どもが大合唱すると、耳栓も突き破ってくるパワーです。
僕は、八方ふさがりになりました。
わき起こる怒り
そんな日々が1週間ぐらい続いた後、僕は自分の中に言いようのない怒りがわき起こってくるのを感じました。
上の子がギャン泣きしている時に、ひっぱたきたくなる衝動に駆られるようになったのです。
手を振りかぶる直前で思いとどまって、何とか抑えるのですが、このやり場のない怒りをどこにぶつけていいのやら分かりません。
押さえ込んだ怒りはずっと心の奥にくすぶったまま、毎日蓄積されていくのを感じます。
下の子をあやしている時にも、全然泣き止まないと、「このやろぉ~!!」という怒りがこみ上げてきて、思わず首を絞めたくなるほどの衝動に駆られるのです。
このままではヤバい!幼児を虐待する父親になってしまう!
僕は以前、ジーズンショップで働いていたときに、小さな子連れのお客さんが、自分たちの子どもを売り場でひっぱたいている姿を何度か目撃したことがありました。
その時には「なんてヒドい親なんだ!」と、心の中でその親たちを批判していました。
でも、今自分がその立場になって、我が子をひっぱたきたくなる親の気持ちが分かってしまったのです!
これは自分にとって、とてもショックな出来事でした。
そして、怒りを抑えようとすればするほど、心の中にたまった怒りに自分自身が押しつぶされそうになっていきました。
・・・つづく。
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