夫婦喧嘩の最中こそ「ポジティブ要素」が必要【後編】

 Fromシンヤ(男女のパートナーシップ研究所)

夫婦関係について調べていると、

「普段から感謝を伝えましょう。」

「相手の良いところを見ましょう。」

という話はよく出てきます。

それ自体はもちろん悪いことではありません。

ただ、ゴットマン博士の研究で面白いのは、

仲良く過ごしている時だけではなく、喧嘩している最中のやり取りまで見ているところです。

そこで出てくるのが、

「ネガティブ1に対して、ポジティブ5。」

という比率です。

※ゴットマン博士の本はこちら
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うまくいっている夫婦は、喧嘩中にもポジティブな反応がある

ゴットマン博士の研究では、関係が安定して続いている夫婦には、対立している最中でも、ネガティブなやり取り1に対してポジティブなやり取りが約5あるという傾向が見つかっています。

ここで、

「喧嘩しているのに、ポジティブなことなんて言えるの。」

と思うかもしれません。

でも、ここで言うポジティブは、相手を褒め続けるという意味ではありません。

相手の話を聞きながらうなずいたり、

「それは分かる。」

と認めたり、

「そこは自分も悪かった。」

と言ったりすることも含まれます。

言い過ぎた時に、

「今の言い方は悪かった、ごめん。」

と戻ることもそうです。

意見が違ったままでも、相手とのつながりを完全に切らない反応が残っているということです。

関係を壊しやすい「4つの毒素」

逆に、ゴットマン博士が夫婦関係を悪化させやすいものとして挙げているのが、4つの反応です。

非難、侮辱、防御、無視です。

非難は、問題そのものではなく相手の人格まで攻撃するような言い方です。

「なんで皿を洗ってくれなかったの。」

から、

「あなたはいつも自分のことしか考えていない。」

になると、かなり意味が変わります。

侮辱は、相手を見下したり、馬鹿にしたりする反応です。

防御は、自分を守るために言い訳を続けたり、

「そっちだって同じだろう。」

と反撃したりすることです。

無視は、返事をしなくなったり、その場を離れて話し合い自体を終わらせようとしたりする反応です。

どれも、喧嘩しているとついやってしまいやすいものです。

問題は、一度出たら夫婦関係が終わるということではなく、こればかりが繰り返される状態になることです。

ポジティブな反応は、小さなものでいい

「ポジティブを5」と聞くと、かなり大変そうに見えます。

でも、実際にはもっと小さな反応も含まれます。

相手が話している時にスマホを見ずに聞く。

少し表情を緩める。

相手の言ったことの一部だけでも、

「そこは確かにそうだね。」

と認める。

夫婦によっては、喧嘩の途中に少し笑える冗談が入ることもあります。

もちろん、相手が本気で怒っている時に茶化せば逆効果です。

ただ、2人にしか分からないような冗談で少し緊張が緩むこともあります。

1対5という数字を、喧嘩中にいちいち数える必要はありません。

「さっきかなり強く言ってしまったから、少し戻そう。」

くらいに考える方が現実的だと思います。

感情の洪水が起きたら、話し合いを続けない

どれだけ方法を知っていても、実際の喧嘩になると使えないことがあります。

ゴットマン博士は、強い怒りや不安に飲み込まれて、冷静に考えられなくなる状態を「感情の洪水」と表現しています。

この状態になると、

「相手の話を聞こう。」

「人格を攻撃しないようにしよう。」

と思っていたことが飛んでしまいます。

頭では分かっているのに、強い言葉が止まらなくなる。

逆に何も聞きたくなくなって、その場から逃げたくなる。

夫婦喧嘩ではかなり起こりやすい反応です。

こうなった時には、無理に話を続けるより、一度中断した方がいいとされています。

生理的な興奮が落ち着くまでには、少なくとも20分程度かかるとされています。

ただし、

「もう知らない。」

と立ち去って、そのまま話をなかったことにするのとは違います。

「今はこれ以上話すと悪くなりそうだから、少し時間を置いて、○時からもう一度話したい。」

というように、戻ってくることまで決めておきます。

これなら「無視」ではなく、話し合いを続けるための休憩になります。

喧嘩をなくすより、喧嘩中に関係を壊さない

夫婦関係を良くするというと、

「昔みたいに毎日仲良く。」

というイメージを持つ人もいると思います。

でも、脳の仕組み上、付き合い始めの「恋愛ステージ」に戻ることはできません。

そして長く一緒に暮らしていれば、意見が合わないことは普通に出てきます。

前編で書いたように、夫婦ゲンカの原因の多くは完全には解決しない問題です。

だとしたら、

「二度と喧嘩しない。」

だけを目標にするより、

「喧嘩になっても、相手を全部敵にしない。」

という方が現実的かもしれません。

強く言ってしまったら戻る。

感情が大きくなりすぎたら休憩する。

相手の言っていることの中で、納得できる部分は認める。

これだけでも、同じテーマで何度も揉める時の消耗の仕方は変わってきます。

夫婦喧嘩そのものをなくすのではなく、少しずつ「壊れにくい喧嘩の仕方」に変えていく。

今回紹介した『夫婦・カップルの正しい喧嘩の仕方』は、その方法をかなり具体的に知りたい人には参考になる本だと思います。

色んな実例も載っているので、読んでいて必ずあなたのケースに近い夫婦も登場するはずです。

ページをめくるたびに、目からウロコが落ちる本です。

ぜひ、読んでみてください。

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