From シンヤ&サヤ(男女のパートナーシップ研究所)
(→前回のつづき)
前回の記事では、質問サイトへの投稿者の女性が、表面上は「夫の年収が自分の半額(自分:1,200万円、夫:600万円」ということでしたが、実はそうではない理由の1つを解説しました。
本田健さんの著書「ユダヤ人大富豪の教えⅢ」の中で解説されている「人間関係のマトリックス」で分類すると、投稿者の女性は、強い「ネガティブ自立」の状態になっていることが分かります。
ネガティブ自立の心理状態にいる人は、他者から見てどんなにカンペキな人生を送っているように見えても、自分自身の目には「自分の人生が欠点だらけ」に見えてしまいます。
自分と他人の足りない部分に目が向いて、「気にしちゃいけない!」と分かっていても気にすることを止めることができず、どんどん苦しくなっていきます。
この女性が強いネガティブ自立の心理状態になると、パートナーの旦那さんは強いポジティブ依存の心理状態になります。
これは、相手が誰であっても避けられません。
ネガティブ自立の人の前では、誰もがポジティブ依存になってしまうからです。
では、ポジティブ依存とはどんな状態でしょうか?
③ポジティブ依存
この心理状態は、ネガティブ自立と対極にあります。
自分の人生のコントロールをほぼ手放している状態です。
「あ、またやっちゃった。えへへ。」
「まあ、まあ、そんな時もあるよ。甘い物でも食べて。」
「よく分からないけど、スゴいですね~」
というようなセリフが出てくることが多いです。
この心理状態の人は、周りの人達からは、「天然の癒やし系タイプ」と思われることが多いです。
ポジティブ依存の人が行きすぎると、「いじめられっ子キャラ」になります。
④ネガティブ依存
ネガティブ依存も、自分の人生のコントロールを手放している状態です。
「コントロールを手放す」というと、良くないことのように聞こえるかも知れませんが、そうとも限りません。
仏教では、「こだわりを手放す」「ありのままを受け入れる」ことを推奨しています。
その方が、もがいてジタバタするより、心が軽くなることもあるからです。
自立系の心理状態の人達が、
「行動を起こすことで問題解決する、西洋的なアプローチで心の幸せを得ようとする傾向」
があるのに対して、依存系の人達は、
「自分でどうこうするよりも、東洋的なアプローチで流れに身を任せて、ありのままを受け入れることで心の幸せを得ようとする傾向」
があります。
ポジティブ依存と違ってネガティブ依存の人は、「心の痛みに敏感」です。
人が傷ついている時に敏感に気付き、自分が傷ついている時にも、それを正面から見つめることができます。
ポジティブ系の人たちが自分の負の感情を無視する傾向があるのに対して、ネガティブ系の人達は真正面から感じるアプローチを取るのです。
そのため、ネガティブ依存の人が行きすぎると、「うつ状態」になることがあります。
すべてのポジションに長所&短所がある
ここまで解説した4つのポジションで見ると、ポジティブ自立系の心理状態が最も好ましく見えるかもしれません。
でも、実はそうでもないのです。
ポジティブ自立の人は、自分の中にある負の感情を見ないように無視しているだけです。
負の感情と向き合わずに逃げている、とも言えます。
そのため、いざ負の感情がわき起こって自分で処理できなくなった時には、ポジティブ自立の人は一気に反対側の「ネガティブ依存の極端バージョン」に振れて、うつ状態から抜け出せなくなることがあります。
また、いじめっ子キャラの「ネガティブ自立」の人は一見強そうに見えますが、実は「無力な自分を見たくない!受け入れたくない!」という強い恐怖があります。
そのため、一度大きな失敗をしたり、周りからダメなやつだと思われるような出来事があると、一気に無力感を感じて、反対側のポジティブ依存に飛ばされます。
たまに学校で「ずっといじめっ子キャラだった人が、ある時から急にいじめられっ子キャラになる」という現象が起こることがあります。
あれは、まさにネガティブ自立の人がミスをした時の典型パターンです。
一方で、ポジティブ依存の人は一見弱そうですが、弱い自分を受け入れているため、意外にタフです。
バカにされても叩かれても、「あはは~」と笑って忘れて復活する強さがあります。
どのポジションにも強さ&弱さがあり、どのポジションも補い合っているのです。
そして、反対側のポジションにいる人に、人は引かれ合います。
いじめっ子キャラ(ネガティブ自立)の人は、いじめられっ子キャラ(ポジティブ依存)の人に引かれて、自分の存在意義を見いだします。
明るいキャラ(ポジティブ自立)の人は、くよくよキャラ(ネガティブ依存)の人に引かれて、自分の人生の役割を感じるようになるのです。
次回の記事では、この心理メカニズムを詳しく解説します。
・・・つづく。
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