From シンヤ&サヤ(男女のパートナーシップ研究所)
(→前回のつづき)
※質問サイトへの投稿で、「夫の年収が自分の半額であることに不満がある」という女性の心理状態の解説の続きです。
投稿者の女性の心理状態は、「ネガティブ自立」のポジションです。
ネガティブ自立のポジションに長くいると、癒やしを求めたくなります。
ずっと自分や相手、生活環境の欠点を探して、それを直そうとし続けるのは疲れてしまいます。
そんな時、ポジティブ依存の人の「何でも受け入れる」態度は、ネガティブ自立の人にとって最高の癒やしになります。
「この人と一緒の時間は、居心地が良い」
そう感じることで、男女は惹かれ合うのです。
もちろんこれは、夫婦間に限ったことではありません。
友人関係も同じです。
ネガティブ自立の人は、無意識にポジティブ依存の人と同じ空間が居心地が良く感じます。
言い換えると、ネガティブ自立の人が自分の心理ポジションに居続けられるのは、ポジティブ依存のパートナーや友人の存在のおかげでもあるのです。
つまり、この質問サイト投稿者の女性は、無意識に自分の癒やしであるポジティブ依存のポジションに男性を、夫として選んだことになります。
つまり、この女性は今のパートナーの男性を「年収で選んでいない」ことは間違いありません。
なぜ、今は不満が強くなっているのか?
ではなぜ、ここに来て、夫の年収への不満が強くなっているのでしょうか?
自分の最高の癒やしである夫に対して、なぜキライになりそうになっているのでしょうか?
それは、この女性の「ネガティブ自立度合い」が強くなっているのが原因です。
実は、自分のポジションの度合が強くなると、一緒にいる相手は強く反対側に飛ばされます。
つまり、夫は「より強いポジティブ依存になる」ということです。
より強いポジティブ依存とは、平たく言うと、「より頼りなく見えるようになる」ということです。
自分のネガティブ自立の度合が強くなればなるほど、一緒にいるパートナーや、周りにいる人達全員が「無能な人達」に見えるようになります。
その結果、ますます「自分がガンバらなければ、家計を支えられない!」「職場でも自分がモーレツに働かないと、仕事が回らない!」と感じるようになるのです。
すると、それに呼応するように、夫や職場の同僚たちがポジティブ依存に飛ばされて、ますます頼りなく見えるようになります。
この状態は、「マトリックスダンス」と呼ばれます。
社交ダンスやサルサダンスなどの男女ペアダンスでは、男性と女性が一度離れると、一気に遠くに離れます。
片手同士でかろうじて手をつないでいるけれど、今にも離れそうな位置までお互いに長い距離を取る、あの動きです。
このダンス状態になると、お互いに苦しくなります。
ネガティブ自立の人は、ますます相手や状況をコントロールしたくなり、気が休まるヒマがなくなります。
常に自分がガンバっていないと、この世が回らないかのような錯覚に陥るのです。
パートナーの夫も、ピリピリした妻を見て、おどおどした心理状態になります。
じゃあ、どうすればいいの?
では、いったいどうすればいいのでしょうか?
よくやってしまいがちなのは、
「相手を変えようとする」
「相手が変わるのを待つ」
の2択になってしまうことです。
つまり、自分が正しいポジションにいるのだから、相手が変わるべきだ!自分のポジションに相手が寄ってくるべきだ!と考えるということです。
この女性のケースで当てはめると、
「自分が年収1,200万円も稼いでいるんだから、夫も600万円で満足するのではなく、私と同じかそれ以上稼ぐべきだ!」
という考え方になります。
ところが、実はそれはムリな相談です。
なぜなら、夫が頼りなく見えるのは、自分が原因だからです。
自分が強いネガティブ自立にいる間は、夫は近づいてくることができません。
2人の人間が同じポジションにいることはできないのです。
では、どうしたらいいか?
それは、「自分から相手のポジションに歩み寄る」ということです。
相手が変わるのを待つのではなく、自分が先に相手に近寄るのです。
夫のポジションは「ポジティブ依存」です。
パートナーに頼るポジションです。
今、この女性がやるべきことは、「夫に頼ってみること」なのです。
夫に頼ると、何が起こるか?
「えーーー!!そんなぁ!!ただでさえ頼りない夫に、私が頼るなんて!だって、私の力でこの家は回っているのに?!」
という反論がわき起こってくるかもしれません。
でも、実は逆なのです。
夫に頼ってみることで、何が起こると思いますか?
実は、「夫が頼れる男に見えるようになる」のです。
なぜなら、もし妻が自分のポジション=ネガティブ自立を手放して、ポジティブ依存の場所に移動したら、夫もまた、同じポジションではいられません。
必然的に妻がいるポジション=ネガティブ自立に近づくことになります。
ネガティブ自立の男性は頼れます。
ミスが減って、自分から考えて動いてくれるようになるのです。
「そんなバカな!」
と思われるかもしれません。
でも、本当なのです。
やってみると分かります。
とても不思議ですが、何度か体験すると、信じられるようになります。
センターを取る
この、「自分のポジションを手放して、相手のポジションに寄る」ことを、「センターを取る」と呼びます。
社交ダンスで、一度離れた男女が、また反動で一気に近づいて、間近でキスしそうな距離感にくっつくのに似ています。
センターを取ると、お互いが精神的にラクになります。
そして、相手とのつながりを感じて、仲が深まります。
「心が癒やされるのは分かった。でも、2人ともガンバってネガティブ自立のポジションで、同じ年収を稼ぐことはできないの?2人で上を目指すことはできないの?」
という不安が聞こえてきそうです。
次回は、この点について詳しく深掘りしていきます。
・・・つづく。
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