
Fromシンヤ(男女のパートナーシップ研究所)
「私たちはほとんど喧嘩をしません。」
と聞くと、
「仲のいい夫婦なんだな。」
と思う人は多いと思います。
もちろん、本当に穏やかに話し合えていて、喧嘩になる必要がない夫婦もいるでしょう。
ただ、喧嘩をしないことだけで、夫婦関係がうまくいっているかどうかは判断できません。
ゴットマン博士の研究では、夫婦が意見の違いにどう対応するかには、大きく分けていくつかのスタイルがあるとされています。
面白いのは、
「このタイプが正解。」
とは決まっていないところです。
対立の仕方には大きく3つのスタイルがある本の中では、健全な対立スタイルとして大きく3つが紹介されています。
①回避型、②承認型、③爆発型です。
回避型は、できるだけぶつからないようにするタイプです。
不満があっても口にしなかったり、相手に伝えてみても反応が悪ければ、
「まあいいか。」
と引き下がったりします。
承認型は、比較的冷静に話し合いを進めて、早めに妥協点を探そうとするタイプです。
爆発型は、感情をかなり表に出しながら話すタイプです。
声が大きくなったり、かなり激しい言い合いになることもあります。
日本では、なんとなく文化的に「回避型や承認型の方が良くて、爆発型は悪い」ように見えるかもしれません。
ところが、ゴットマン博士の研究では、この3つはどれも健全な対立スタイルになり得るとされています。
喧嘩を避ける「回避型」にも弱点はある
回避型同士の夫婦では、長い間ほとんど喧嘩をしないこともあります。
お互いに、
「わざわざ揉めるくらいなら言わなくていい。」
と考えるからです。
これはこれで、その夫婦にとってうまく機能している間は問題ありません。
ただ、少し気をつけたい部分もあります。
長年言わずにいた不満が、何かをきっかけに一気に出てくることがあります。
普段から意見をぶつけることに慣れていないので、いざ大きな問題が起きた時にどう話せばいいのか分からない。
すると、今までずっと避けてきた分だけ、かなり強い言葉が出てしまうこともあります。
「うちは喧嘩しないから大丈夫。」
だけではなく、
「言いたいことを安全に言える関係になっているか。」
というところも見ておいた方がよさそうです。
早く妥協することが、いつも正解とも限らない
承認型は、一見するとかなり理想的に見えます。
相手の話を聞いて、
「分かった、じゃあどうしようか。」
と解決策を探します。
ところが、ここにもひとつ落とし穴があります。
妥協点を見つけることを急ぎすぎると、
「なぜ相手がそこまで困っているのか。」
という部分を十分に聞かないまま話が終わってしまうことがあります。
たとえば、
「もっと皿洗いをしてほしい。」
と言われて、
「じゃあ水曜日は自分がやるよ。」
と決めれば、一応問題は解決したように見えます。
でも相手が本当に伝えたかったのは、
「家事を全部自分が背負っている感じがして苦しい。」
という気持ちかもしれません。
そこを聞かずに解決策だけ決めても、また別の場面で同じ不満が出てくることがあります。
激しく言い合う「爆発型」でも関係は続く
爆発型は、感情を表に出します。
議題を整理してから話すというより、
「なんでいつもやってくれないの。」
と、いきなり本題に入ってしまうこともあります。
当然、相手も反応して、かなり激しいやり取りになることがあります。
ただ、声が大きいから関係が悪いとは限りません。
爆発型でも、
「相手に分かってほしい。」
「この問題をどうにかしたい。」
という気持ちが残っていて、お互いの関係を維持しようとしているなら、健全な対立スタイルになることがあります。
反対に、静かに話していても、相手への軽蔑が強かったり、もう問題を解決する気がなかったりすれば、そちらの方が危険な場合もあります。
見た目の激しさだけでは分からないということです。
話し合いは「最初の3分」でかなり決まる
ゴットマン博士の研究で、もうひとつ興味深いのが、対立が始まって最初の数分間です。
夫婦のやり取りを観察すると、最初の約3分を見るだけで、その話し合いがどんな終わり方をするかをかなり高い確率で予測できたとされています。
最初から、
「あなたはいつもそう。」
「何回言えば分かるの。」
と強く始まると、その後もお互いに防御や反撃が増えやすくなります。
反対に、不満は伝えながらも、相手そのものを攻撃しない始め方ができると、その後の話も変わってきます。
夫婦喧嘩というと、
「途中で何を言うか。」
ばかりに目が行きますが、実は最初の入り方がかなり大きいわけです。
自分が回避型なのか、承認型なのか、爆発型なのか。
まずはそこを知っておくだけでも、
「ああ、またこのパターンに入っているな。」
と気づきやすくなります。
次回は、喧嘩の最中に関係を壊しやすい「4つの毒素」と、ゴットマン博士が見つけた「1対5の比率」について書きます。
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