【地獄のトイ・ストーリー:私たちシンヤ&サヤの出会った時の体験談23】

From シンヤ&サヤ(男女のパートナーシップ研究所)

(→前回のつづき)(→この記事のシリーズを1話目から読む

※サヤと出会ったばかりの頃の体験談を、シンヤ視点(男性脳視点)で描いたストーリーの続きです。

いよいよ、ディズニーシーでのデートのクライマックスがやって来ました。

僕らは朝にファストパスを取ったトイ・ストーリーのアトラクションの列に並び、待ち時間に入りました。

時間は夜8時を過ぎていました。

夜9時に閉園なので、これが最後になります。

僕らは結局、お互いの年齢を知らないまま、最後のアトラクションまで来てしまいました。

僕はここまで来たらもう、年齢を聞かずに突き通して、告白の時に聞かれたら答えよう!と思いました。

年齢を知らない相手に告白した経験はないので、これも良い経験になるかも?!ぐらいに思っていました。

ところが、予想外のタイミングでそれは起こりました。

 

サヤの急襲

トイ・ストーリーの建物の中に入って、乗り物が見え始めていました。

列がくねくね曲がっているので、実際にはあと少し待ち時間がありそうです。

その時、急にサヤが僕に聞いてきました。

「ところで、シンヤって何歳なの?」

(おぉ!!いきなり来たか!予想してなかった!ていうか、このタイミングで聞くかぁ~!あと少しで乗り物に乗れるというのに・・・いや~どうなんだろう?ドン引きされるかなぁ?どうしよう?でも、言わないわけにはいかないし・・・)

そんな心の葛藤が数秒間の間にグルグル回りました。

その後、すぐに僕は言いました。

僕:「俺は今、38歳だよ。」

サヤ:「え?」

僕:「38歳。」

サヤ:「さんじゅうはち??ウソでしょーー!!」

(うっ!これは良くない方のリアクションか?だよね~)

僕:「見えない?」

サヤ:「ぜんぜん見えない!てっきり20代後半か、いってても30代前半かと思ってた。」

僕:「そ、そうかい?」

(これは、若く見えるから良いという問題ではないな・・・これは良くない方のリアクションだな)

想像以上のドン引きリアクション

サヤ:「38歳・・・マジかぁ~!!ビックリ!!」

僕:「え、サヤは何歳なの?」

 

サヤ:「・・・27歳」

僕:「にじゅうななかぁ~!でも、そう言うサヤも若く見えるよ。一番最初に会ったときは、大学生ぐらいかと思ったからね。」

サヤ:「そんなわけないじゃん!」

僕:「いや、ホッペタがスベスベしてるし・・・」

サヤ:「そうか・・・まあ、じゃあお互いに若く見えるってことで。それにしても、38かぁ~」

(うっ!これは予想通りのドン引きリアクションだ!ダメな方のやつだ!)

僕はその後、何とか場の空気を持ち直すために、話題を変えようとしました。

僕:「あ、そろそろ順番近いよ。どんな感じなんだろうね。」

 

サヤ:「・・・・」

 

僕:「初めてだから楽しみだなぁ~!」

 

サヤ:「・・・・」

(あー!ダメだ!サヤの心がここにあらずになっている~!あか~ん!!ピンチ!!)

結局、サヤは無言のまま、僕らの順番が回ってきました。

うぉ~重い・・・重すぎる・・・どうしたらいんだ?

グルグル考えているうちに、僕もサヤに続いて、心ここにあらず状態になりました。

 

一番ヘタなカップル

トイ・ストーリーの乗り物は、グルグル回るイスに座って、目の前に据え付けられているレーザー銃みたいなやつを使って、的を打ちまくるシューティングゲームでした。

おそらく、普通の精神状態で乗ったら、すごく楽しい乗り物でしょう。

でも、僕らは普通ではない精神状態でした。

僕は、この後のことをグルグルと頭の中で考えていました。

(思った以上にドン引きされてしまったぞ!この流れで告白するのは、さすがにしんどいのでは?計画を変更するか?

いや、むしろこのピンチ状態だからこそ、告白して気持ちを伝える方が良いのでは?

もう探り合いのステージは終わったのだから。

もしかしたら、年齢差がバレた今、もう今後サヤとのデートは実現しないかもしれない・・・

だったら、行動を起こすのは今しかない!いや~でもなぁ・・・こんなに不利な精神状態で告白したことは、未だかつてないぞ。

どうしよう?どうしよう?)

そんなことを考えていました。

僕は、シューティングの的を外しまくっていました。

もう、トリガーを引く力さえ残っていません。

グルグル回る乗り物に揺られながら、僕は内心「俺は今、ここで何をやってるんだ?この乗り物の時間には何か意味があるのか?」と、やけくそモードに入っていました。

チラッとサヤの方を見ると、サヤも同じような状態らしく、的を外しまくっていました。とういより、ほとんどトリガーを引いていません。

僕らは、おそらくこの回に乗った人達の中で、一番点数が低かったと思います。

ユル過ぎたトイ・ストーリー

せめてジェットコースーターのような、強制的に目の前に意識を集中させてくれるような乗り物だったら、きっとこの空気を変えることができたかもしれません。

自分も一瞬ストレスから解放されて、気持ちが整理できたかもしれません。

でも、トイ・ストーリーは意識を飛ばすにはユル過ぎました。

多くの人達が長蛇の列を超えて、やっとのことで乗れた憧れの乗り物時間を、僕とサヤはまったく集中できないまま、終えました。

みんなにとっての天国のトイ・ストーリーは、僕にとっては地獄のトイ・ストーリーと化しました。

僕に残された道は、2つしかありませんでした。

究極の2択

①この流れでムリヤリ告白して急流に飛び込むリスクを冒す。

②一度離れて体勢を立て直し、その後サヤからメール返信が遅くなったり来なくなったりして、そのままフェードアウトしてしまうリスクを冒すか?

どっちもリスクです。

リスクしかありません!

どっちもかなりキツいです!

僕は究極の選択に迫られていました。

どうせツラいなら、どっちのツラさを選ぶか?

①は、今すぐ、より大きな痛みがやってくるリスクがあります。

②は、ジワジワと後から痛みがやってくるリスクがあります。

まさか閉園間近で、こんなにピンチに追い込まれるとは!!

時計は、閉園の夜9時から15分前をさしていました。

僕には、迷っているヒマはありませんでした。

 

・・・つづく。(→この記事のシリーズを1話目から読む

 

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