【オススメドラマ:ルシファー③】

From シンヤ&サヤ(男女のパートナーシップ研究所)

(→前回のつづき)

※私達シンヤ&サヤが、今最もハマって毎日見ているネットフリックスの連続ドラマ「ルシファー」の詳しいレビューの続きです。

男性の思い描く成功モデルを具現化したような男、ルシファーは、一見何の悩みもなさそうに見えます。

有り余るお金と時間、そして女性たちとの享楽的な夜を満喫して、人生を楽しんでいます。

でも、心の底から1人の女性を好きになったことはありません。

そうなる必要すら感じない、忙しい日々を過ごしています。

でも、人間の女性で刑事のクロエを心から好きになることで、それまで見ないようにしてきた自分の中にある劣等感や罪悪感が再び出てくるのです。

 

パートナーが過去の心のキズを浮かび上がらせる

ルシファーの中にある劣等感は、「自分は天国から追放されて、地獄の悪魔に転落した」という自己イメージです。

しかも、自分を天国から追放したのは実の父である、「神」なのです。

ルシファーは、父に対する怒りを常に感じています。

そして実は、父の期待に応えられなかった自分に対する罪悪感も抱えているのです。

本当は父の期待に応えたかった。自慢の息子でありたかった。

でも、自分は父の期待に応えられず、父は落胆し、罰として自分を地獄送りにした。

自分は実の父から見捨てられた・・・

それが、ルシファーの心の痛みだったのです。

その痛みは、どんなにお金を稼いでも、どんなにたくさんの女性と関係を持っても、決して癒やされることはありませんでした。

痛みは忘れようとしても、一時的に影を潜めるだけです。

何かあるとまたすぐに、劣等感と罪の意識に振り回されて、破壊的な行動に出てしまうのです。

そして、クロエのことを本当に好きになることで、ルシファーは自分の中にある劣等感がわき出てきます。

「自分はクロエに釣り合うほどの価値がない・・・」

と思ってしまうのです。

他の女性はガンガン口説けるのに、クロエだけはデートに誘うことさえできないルシファーの姿は、とてもコミカルに描かれています。

・好きな人に落胆される恐怖。

・好きな人に見捨てられる恐怖。

この2つを避けるために、ルシファーはクロエへの気持ちを隠そうとします。

 

無敵のルシファーが弱くなる

でも、ルシファーの身体は不思議な構造になっていて、

「心の奥底で思っていることが具現化する」

という特徴があります。

たとえば、ルシファーには悪魔の能力を活かした特技があります。

「相手と目を合わせて見つめるだけで、心の奥底にある欲望を引き出して口に出させることができる」

という特技です。

どんなに口が堅い人でも、どんな極悪人でも、ルシファーのこの能力で「真の欲求」を吐かされてしまいます。

でも、この能力がクロエだけには通用しないのです。

ルシファーがどんなにガンバっても、クロエの願望だけは引き出せません。

さらに、ルシファーの肉体はクロエの前では弱くなってしまいます。

ふだんのルシファーの肉体は、不死身です。

銃で撃たれても死にません。

ナイフで刺されても傷つきません。

血は一滴も流れず、ナイフの方が折れてしまうぐらいです。

でも、クロエがいる空間では、ルシファーは不死身ではなくなります。

 

ふつうの人間と同じぐらいの肉体のモロさになってしまうのです。

ルシファーは最初、自分の不死身の身体をクロエの前で披露しようとして、わざと銃で撃たれます。

でも、普通にダメージを受けて血を流してしまいます。

自分がクロエのそばにいる時には、普通に傷ついて死ぬ身体になる、ということが分かるのです。

ふだん気丈に振る舞っていても、本当に好きな人の前では、誰でも弱くなります。

自信がなくなるし、劣等感や罪悪感にさいなまれます。

何とかそれを乗り越えて付き合いまで持っていっても、自分の中にある劣等感や罪悪感は消えません。

どんなに理想のパートナーを見付けて付き合ったり結婚しても、一時的にごまかされるだけです。

いずれまた必ず、自分と向き合わなければならない時がやってくるのです。

そして、パートナーとの距離が近くなればなるほど、劣等感や罪悪感が強く出るようになります。

 

人は相手の中に自分自身が見えると、怒る

知り合いレベルの相手とは距離があるので、感情が強く出ることはありません。

でも、付き合って恋人同士になってしばらくすると、距離が縮まるにつれて、お互いの負の感情が強く出るようになります。

結婚して夫婦になると、さらに距離が縮まって、お互いの負の感情もさらに強く出るようになります。

結婚生活では、これまでに味わったことのないような劣等感と罪悪感にさいなまれることになるのです。

これは、相手の問題ではありません。

相手は、自分の中にあるものを引き出す鏡に過ぎないのです。

人は、相手の中に自分の姿を投影して、怒りを感じます。

見たくない自分の姿、知りたくない自分の一面が、相手を通して透けて見えるようになるのです。

多くの場合、人は自分自身を相手の中に見ているとは気付かずに、「相手が悪い!」と思って責め立てます。

でも、相手を責めても心のキズは癒えません。

そのことを、ルシファーは身をもって僕らに見せてくれるのです。

僕らは自分の身に起こったことには冷静さを失ってしまいますが、ルシファーを通して第三者視点で見ると、何が起こっているのか?がよく分かります。

ドラマでパートナーシップを学ぶのは、そういうメリットがあります。

・・・つづく。

 

 

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