【結婚滅亡②】

From シンヤ(男女のパートナーシップ研究所)

※火曜日のブログはシンヤが担当します

(→前回の続き)

※今、僕がハマって読んでいる本「結婚滅亡」のレビューの続きです。

この本を読んでいると、日本の結婚や恋愛観をもっと広い視点で見れるようになります。

客観的なデータを分析することで、これまで常識だと思い込んでいたことが、実は非常識だった・・・ということに気付くのです。

たとえば、今までの時代は「結婚するのが当たり前」とか「結婚しない人が何か問題がある」「結婚してこそ一人前」というような風潮がありました。

会社によっては、結婚しないと昇進できない、なんてこともあった(今もある?!)ようです。

親から「いつになったら結婚するんだ?」とせっつかれた経験がある人もいるでしょう。

この価値観は、「日本人のほとんどが結婚していた時期」があったことで、生まれました。

そしてその時期は、思ったよりも短かったのです。

著者の荒川先生は、この時期を「日本の皆婚時代」と呼んでいます。

具体的には、1920年~1980年までの60年間は、国民の95%が、50才までに結婚していたそうです。(データは本より引用)

僕は1977年生まれなので、僕の親の世代はちょうどこの皆婚時代の後半に結婚したことになります。

100人中、95人が結婚していた時代なら、確かに「結婚していない人は何か問題があるのでは?」みたいに思われる傾向があったのもうなずけます。

でも実は、「この皆婚時代こそが異常だった」ということが分かります。
皆婚が実現される条件として、

①国民全体の給料が右肩上がりで、経済力に個人差が少ないこと

②職場が「集団お見合い」の役割を果たしていること(社内結婚が多い)

③職場恋愛で結婚できない人たち向けに、上司や親のお膳立てによる「お見合いシステム」が機能していること。(昭和の初期は7割、中期は5割が見合い結婚だったそうです)

この3つが揃っていたからこそ、皆婚時代が実現できたわけで、それはとても特殊な環境だったのです。

当然、今はこの3つは機能していません。

①日本の給料は横ばいで、この30年間変わっていないと言われています。

②職場が集団お見合いの役割を果たすことは、ほとんどなくなりました。

③今の時代は上司が部下にお見合いを勧めたら、セクハラ問題になってしまいます。親も子供にお見合いを勧めると煙たがられます。(現在の見合い結婚率は、約5%だそうです。そのうち自発的な結婚相談所のお見合いは2%。伝統的なお見合いで結婚する人は、たったの3%です)

このように、時代が大きく変化しているにも関わらず、人々の結婚に対する意識は昔のままなのです。

恋人がいない理由を聞かれて、

「職場が同性ばかりだから・・・」

「毎日の生活の中で、異性と出会う機会がなくて・・・」

というセリフは、今でもよく聞きます。

この「昭和の時代に結婚した人たちの意識」と「令和の時代に適齢期になった若者の意識」のズレが、今の状況を生み出しているのです。

皆婚時代は結婚へのプレッシャーが強く、結婚しないと仕事も私生活もしづらくなるデメリットがありました。

でも、今の時代は生き方が自由で多様になり、結婚のデメリットが大幅に減っています。

その一方で、結婚のメリットも大幅に減っているのです。

男女共に結婚のメリットが減っている

この本の中のデータによると、独身者が感じる「結婚の利点」が男女ともに減っているのが分かります。

たとえば、以前は男性が「結婚するメリット」に挙げることが多かった、

・社会的信用が得られる

・生活上便利になる(料理、家事など)

という項目が、以前の半分以下に激減しています。

そして、女性がメリットに挙げることが多かった

・愛情を感じている人と暮らせる

も落ちています。

代わりに、

・経済的に余裕を持てる

のポイントが激増しているのです。(以前の3倍まで)

一方で、それだけ経済的な期待を寄せられている男性の給料は、この30年横ばいです。

さらに、独身男性が考える「独身の利点」には、

・経済的に裕福

が一位になっています。

そしてこの項目が、ここ数年で倍増しているのです。

ちなみに独身女性が考える「独身の利点」の中で、

・行動や生き方が自由

が急激に伸びています。

実は女性の方が男性よりも、「結婚すると不自由になるのでは?」と感じているのが意外でした。

こうして見ると、結婚のメリットが減っているだけではなく、男女が「結婚したらこういう生活をしたい」とお互いに期待する部分を満たせないと感じているのです。

つまり、「結婚しても、自分は相手の要求を満たせない」と感じている独身男女が増えていることが分かります。

ちなみにこの本には、男女別の統計ではなく、男女の「差分」に注目したグラフが収録されています。

すごく見やすくて、男女が結婚に期待する項目や不安に感じている項目がまったく違うことが分かります。

これだけズレていたら、そりゃ「自分は結婚はムリだわ」となるのも分かります。

僕は年齢的にちょうど過渡期の真ん中世代なので、結婚しない人たちの気持ちも分かります。

婚活中に、何度も気持ちが折れかけたこともありました。

婚活女子たちが寄せる期待に自分が応えられないと感じて、鬱っぽくなったこともあった程です。

僕は結婚する道を選んで追求しましたが、31才で婚活を始めて、37才でサヤと出会い、40才で結婚するまでの道のりは、めちゃくちゃイバラの道でした。

付き合うまでも大変だったし、付き合ってから結婚するまでも、苦難の連続でした。(詳しくは僕らの体験談をこのブログ記事に書いています)

正直、みんなにオススメできるものではありません。

今の時代は、結婚するためにはものすごい気合いと根性と覚悟が必要だと感じます。

おそらく、皆婚時代の世代の人たちが結婚するのに必要な労力の3倍ぐらいはかかるでしょう。

この本に書いてあることを見ながら、僕は何度もうなずいてしまいました。

 

・・・つづく

 

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