【「結婚生活」と「海外移住」の共通点:「大好き!」だったのに「大嫌い!」になる理由】

From シンヤ(男女のパートナーシップ研究所)

※火曜日のブログはシンヤが担当します

先日、面白いYouTube動画を見付けました。

日本人の妻と外国人の夫が、夫婦で発信している動画です。
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Why you’ll HATE living in JAPAN

(なぜあなたは日本に住むのが大嫌いになるのか?)

タイトルから分かる通り、これは外国人に向けた動画です。

これから日本に住む予定の人、あるいは今もう住んでいる人にとって、気になるトピックだと思います。

この動画の中では、夫のミスター・イーツさんが日本で経験したことを元に、日本に移住した外国人の「幸せ度」をグラフで表しています。

しかも、それを男女のパートナーシップにからめて話しているのが印象的でした。

イーツさんは、移住の幸せグラフを、いくつかのステージに分けて説明しています。

ステージ①日本に恋する時期

この時期は、日本のアニメ、ゲーム、和食など、海外でも広く知られている文化の部分に魅了されて、日本に対する感情が強くなっていきます。

日本に魅了されて、恋をしている状態です。

そして恋の熱が抑えきれなくなり、ついに日本に移住する決断をします。
日本に来たばかりの頃は、見るもの聞くものすべてがキラキラしていて、幸せ度がマックスになります。

渋谷のスクランブル交差点を見て圧倒され、大喜びする外国人も多いようです。

日本で経験する1つ1つのことが、ワクワクする冒険のような感覚で、楽しくて仕方ありません。

これを、イーツさんは「ハネムーン期」と呼んでいます。

まさに、男女が出会って恋に落ちてから、ついに付き合い始めた頃の心境に似ていますね。

この頃のイーツさんは、日本の田舎エリアに住み、温かい人間関係に恵まれて、幸せを感じていました。

さらに、英語の先生としての仕事も楽しくて、公私ともに充実した生活を送っていました。

ところが・・・

ステージ②カルチャーショックでイライラを感じる時期

新しい体験に対するワクワクが続くのは最初にうちだけで、そのうちだんだん慣れてきます。

最初に日本に来た時には驚いていたことが日常になり、気持ちが落ち着くに従って、現実が見えるようになってきます。

そして、最初に魅力的に見えていた部分にさえ、イラ立ちを感じるようになるのです。

この時期になると、まるでステージ①の感情がウソだったかのように、落ち込みや怒りを常に感じるようになり、本国に帰りたくなる衝動に駆られるそうです。

これはまさに、男女のパートナーシップでも同じですね。

本能のパワーで燃え上げっていた「恋の炎」の勢いが弱まり、現実が見えてくると、お互いの欠点が目につき始めます。

大好きだったはずのパートナーの長所が、この時期には短所にさえ見えることもあるのです。

そして面白いことに、イーツさんが日本への恋の炎が消えてイラ立ちを感じ始めたきかっけは、パートナーである奥さんに出会ったことだそうです。

奥さん(当時は彼女)との関係が深まるにつれて、イーツさんは2人の将来を真剣に考えるようになりました。

それまで住んでいた田舎から、大阪の中心地に引っ越したそうです。

田舎に住んでいた頃は、自分の職場である学校まで自転車で5分だったのに、大阪に引っ越してからは満員電車で片道2時間半の生活になりました。

また、仕事の方もあまり充実感を感じられなくなってきます。

田舎の学校は生徒から笑顔で迎えられ、生き生きとした雰囲気の中で授業ができたそうです。

でも都会の学校では、生徒達は疲れていて、授業中に笑顔はなく、寝ている生徒もけっこう多かったそうです。

ヤル気のない生徒を相手に授業をするのは、ツラいことです。

日本人と同じ悩みを経験する

さらにイーツさんに襲いかかったのは、「転職のカベ」と「給料のカベ」でした。

外国人(英語のネイティブ)が日本で得られる仕事の大半は、先生として学校に雇われることです。

ところが、先生の仕事はそれほど給料が高くないので、若い時には良いのですが、年齢を重ねて落ち着いてくると、不満が出てきます。

かといって転職しようとしても、日本は海外ほど転職市場が成熟していません。

英語圏の国では、転職することで給料がアップすることが多く、転職すること自体がカンタンです。

キャリアアップ=転職

という図式があるぐらい、転職が高く評価されています。

でも、日本では転職すると給料が上がるケースは少なく、むしろ下がることの方が多いです。

日本ではいまだに年功序列の給与体系を採用している会社も多く、

1つの会社で長く働く=エラい

という図式があるので、転職で給料を上げるのはかなり難易度が高いです。

職業の選択が自由で、キャリアチェンジがしやすい西洋文化から来た外国人にとっては、日本の労働市場はかなり閉塞的で苦しいと感じることが多いです。

「職種の選択肢が少ない&転職で給料が上がらない」

というのは、西洋人にとっては翼がもがれたような気分になるのかもしれませんね。

さらに、日本では女性が出産すると仕事を辞めるパターンが多く、奥さんが育児に専念している期間は男性が経済的に家計を支える図式が一般的です。

この文化の違いも、イーツさんのプレッシャーを高めていきました。

イーツさんは奥さん(当時は彼女)との将来を考えれば考えるほど、日本の労働文化の閉塞感にさいなまれていきました。

実はこれは、日本人の男性が感じているのと同じ悩みでもあります。

外国から来たから感じるのではなく、日本にどっぷり浸かったからこそ感じる、日本人男性と同じ悩みを、イーツさんは経験したのです。

・・・つづく

 

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