【夫にお願いしても聞いてもらえない時の対処法⑤】

From シンヤ&サヤ(男女のパートナーシップ研究所)

(→前回のつづき)

※私たちシンヤ&サヤがケンカした時の分析結果の続きです。

前回の記事では、「お願い」と「命令」という2つのキーワードが、夫婦ゲンカの原因になっている可能性があることをお伝えしました。

サヤが「お願い、提案した」と思ったことが、シンヤには「命令された」と感じたのです。

とらえ方が違う理由は、男女で「お願いと命令の定義の違い」があるのが原因かもしれない、という結論になりました。

そこで、女性の中での「お願いの定義」と、男性の中での「お願いの定義」を見ていきたいと思います。

※注:言葉の定義には個人差があります。必ずしも万人に当てはまるものではありません。

 

男性(シンヤ)にとっての「お願い」の定義

 

男性にとっての「お願い」という言葉の定義は、シンヤの言葉で表現すると、「自由意志」だと思います。

お願いされた側には自由意志で選べるのです。

相手のお願いを叶えるか?断るか?は自分に選択権があると思っています。

たとえ相手のお願いを断ったとしても、それで相手から責められることはありません。

なぜなら、男性の世界では、「本来やらなくても良いことを相手にやって欲しい時」に、お願いをするからです。

役割分担制の男性脳

男性脳は、太古の時代から狩りをしながら「役割分担制」で進化してきました。

役割分担が当たり前の男性脳は、「自分の領域と相手の領域」をハッキリ意識しながら生活しています。

そして、自分の領域に関しては、自分が責任と権限を持ってると感じています。

誰にも口出しさたくありません。

一方で、相手の領域に関しては、自分から立ち入ることはありません。

そして、相手の領域で手伝って欲しいことを「お願い」された場合、受けるかどうかの選択権は「お願いされた側」にあります。

そして、お願いを断ったところで、相手との関係が崩れることはありません。

なぜなら、お願いをしている時点で、すでに上下関係が生まれているからです。

お願いをした相手=自分の手に負えないことを手伝ってもらうから、ポジションは下。

お願いをされた相手=自分の領域外のことを手伝うのだから、ポジションは上。

という認識です。

なので、お願いを断るのも自由、受けるも自由なのです。

 

女性にとっての「お願い」の定義

 

一方、女性にとってのお願いの定義は、男性とはまったく違います。

 

特にこの「お願い」は、家事など「どちらもやるべきこと」や、家族の生活を快適にする上で「やるべきこと」と認識していることに対してです。

サヤの言葉で表現すると、女性にとってのお願いは「注文」と同じです。

レストランで料理を注文した後、15分待っても、20分待っても自分の頼んだものが出て来なかったら、イラッとしますよね?

係の人を呼んで、「私のどうなってるんですか?」と聞くと思います。

そこでもし、

「すみません、忘れていました!」

とか、

「その料理は今、お出しすることができません。」

とか言われたら、カチン!と来るはずです。

そして、

「店長呼んでこいや~!」

という、お決まりのセリフを言いたくなるかもしれません。

これが、女性にとっての「お願い」なのです。

 

共同作業制の女性脳

太古の時代より、女性たちはコミュニティーの中で共同作業をしてきました。

木の実の採取や、料理や洗濯などの家事を全員でやって早く終わらせてきました。

 

そこには役割分担という認識はあまりありません。

 

困っている人を見たらすぐに助け合う、というのが当たり前です。

 

表面上の役割分担はあっても、その境界線がとても曖昧なのです。

女性の世界では、相手が困っているのを見た時に手を差し伸べない人は「気が利かない人」というレッテルを貼られてしまいます。

察する能力のある女性たちの集団では、相手からお願いされる前に、自分から手を差し伸べるのが当たり前になっているのです。

やるのが当たり前のことをわざわざ言葉にして「お願い」してきた時には、もうそれはレストランの注文と同じく「オーダー」なのです。

当然、そのオーダーが守られなかった時には、お願いした側は「自分は大事にされていない」と感じて、険悪なムードになります。

男性とはまったく違いますね!

 

やらなくて怒られるのは、男性にとっては「命令」

もし男性が妻から何かをお願いされて、それをやらなかった時に妻から怒られた場合、

「それはお願いじゃなくて、命令じゃないか!」

と感じます。

男性にとって、命令は従わなければならないものです。

もし上司の命令に背いたら、罰が待っています。

その罰は、上司から激しく怒られることです。

妻に怒られるのも、上司に怒られるのも、男性脳にとっては同じ「罰」なのです。

だからこそ、妻から、

「なぜこれをやってくれなかったの?あれほどお願いしたのに!」

と怒りの感情をぶつけられると、

「俺に命令するな!」

「なんでそんな上から目線なんだ!」

という反発心で対抗することになります。

これは、妻は自分と対等な関係だと思っているから起こることです。

そもそも自分より妻の方が地位が上だと思っている男性は、上司からの命令に反発はしません。

でも、多くのケースで男性は夫婦は対等だと思っているので、反発が生まれるのです。

・・・つづく。

 

p.s.ところで、レストランでの注文を英語にすると”order”になります。

orderの意味を辞書で調べると、「命令」と出てきます。

英語の方がストレートですね!

 

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