
Fromシンヤ(男女のパートナーシップ研究所)
去年、映画館で夫婦で一緒に見たかったけどタイミングが合わなかった映画を、先日アマゾンプライムでレンタルして見ました。
タイトルは、「ウィキッド ふたりの魔女」というディズニー映画です。
オスカー賞を二度も受賞しているらしく、予告編もすごく興味をかき立てられる内容だったので、見てみました。
この映画を観ていて「あれ?」と感じることがありました。
それは、映画に登場するイケメンが、ものすごく脇役っぽいというか、物語の核心に関わってこないことです。
これは、僕が以前「アナと雪の女王」を見た時にも感じたことですが、ディズニー映画における「恋愛」の扱われ方が、昔とまったく違ってきているということです。
90年代までのディズニー映画の王道
少し振り返ってみましょう。90年代までのディズニー映画といえば、『リトル・マーメイド』や『美女と野獣』『アラジン』のように、王子とプリンセスの恋愛が物語のゴールでした。
男性は、女性を新しい世界に連れて行く存在。
女性キャラクターの幸せ=恋愛の成就、結婚。
それが自然に描かれていたんです。
ところが、この10年ほどでその構図は大きく変わりました。
たとえば『アナと雪の女王』では、中心にあるのは姉妹の絆。
ハンス王子はむしろ裏切り者として描かれ、クリストフは重要な仲間でありながら物語の中心ではありません。
先日、僕と妻が見た「ウィキッド 2人の魔女」でも、恋愛体質っぽく見えていたガリンダが、あっさり彼氏のフィエロを置いて、女友達のエルファバと一緒に都への電車に乗って行きます。
その後は、彼への未練などの心境は、まったく描かれませんでした。
フィエロの性格も、かなり薄っぺらい感じで描かれていて、完全に2人の女性の友情を引き立てるための脇役感が強いのです。
気になって、これまで見ていなかったディズニー映画の情報も調べてみました。
すると、『モアナと伝説の海』では、恋愛要素は一切ないことが分かりました。
モアナでは、少女が自分の使命とアイデンティティを探す旅が描かれます。
『ラーヤと龍の王国』も同じく、女性同士の信頼や友情がテーマでした。
時代の価値観のシフト
この変化は偶然ではなく、時代の価値観のシフトを映し出しています。
ディズニーはマーケティングが上手な会社です。
ディズニーがこの恋愛観の変化を作り出しているのではなく、世の中の変化に合わせているんだと思います。
大衆ウケしやすいように、柔軟に作品の方向性を変えているのです。
現代社会では「女性の幸せ=恋愛や結婚」という単純な図式から、「自分らしく生きる」「家族や友情を大切にする」ことへと軸が移っています。
恋愛は人生を彩る大切な要素ではあるけれど、それがすべてではない。
そんなメッセージを子どもから大人まで届ける意図が感じられるんです。
とはいえ、恋愛が完全に消えたわけでもありません。
『アナ雪2』では、クリストフがアナにプロポーズしようと奮闘するシーンがあります。
けれどそれは本筋の「姉妹の冒険」に対する軽いサブストーリーとして描かれていて、物語の核心を占めてはいません。
このように「恋愛=メインテーマ」から「人生を豊かにする一要素」へと位置づけが変わってきているのが今のディズニー作品の特徴だと思います。
つまり、これが今の世の中の価値観を表しているのです。
そして教育的な面では、今ディズニー映画を見た子ども達が、大人になった時の恋愛観や結婚観にも影響するでしょう。
良い方向に向かっている
僕はこの変化を見て、男女のパートナーシップ的には良い方向に向かっているように感じました。
昔のディズニー映画が描いていたような「白馬の王子が現れてすべてが解決する」という物語は、現実には存在しません。
恋愛や結婚はゴールではなく、むしろスタート地点です。
でも、子どもの頃からディズニー映画で白馬の王子様願望が植え付けられたら、どうしても結婚に対する期待値は上がってしまいます。
そして、結婚した後に、「こんなはずじゃなかった・・・」「選ぶ相手を間違えた・・・」となってしまうのです。
でも、今のディズニー映画からのメッセージは、
「男女ともに恋人や配偶者が自分のすべてを満たしてくれるわけではなく、友情や家族、自分自身の生き方があってこそ、男女の関係は安定する。」
というものです。
それは、恋愛や結婚に対する失望とは違います。
恋人や配偶者は、人生をさらに豊かにする存在、自分に多くの学びを与えてくれる存在(学びは多くの場合、自分の快適ゾーンから出た時に起こる)として位置づけていると、思います。
現代のディズニーが示しているのは、
「自分の人生の主役は自分であり、恋愛はその物語を支える大切な要素のひとつ」
という視点です。
これは、僕たちが夫婦関係やパートナーシップを考える上でも、とても参考になる考え方だと思います。
結婚や恋愛はゴールテープではなく、長い道のりのスタートライン。
そこから一緒に「価値観や脳の作りの違い」を学びながら、どんな物語を紡いでいくかが、本当のテーマなのだと思います。
あなたのパートナーシップにも、この視点を少し取り入れてみてくださいね。
きっと新しい発見があるはずです。
10年後には、ディズニーから、
「リアルな結婚生活での衝突と、それを乗り越えた時の喜びや成長」
をエンタメっぽく描いたミュージカル映画が出てくれることを、期待しています。
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