From シンヤ&サヤ(男女のパートナーシップ研究所)
(→前回のつづき)
神田昌典さん著「成功者の告白」の本の中で描かれている「夫が浮気するまでの流れ」がとても印象的でした。
この本は、「一人の男が起業して成功するまでの流れ」を、小説形式で描くストーリーです。
フィクションですが、実際に神田さんがこれまで経営コンサルとして見てきた、たくさんの経営者たちの「あるあるパターン」を盛り込んであります。
そのため、とてもリアリティーがあるのです。
その中で、主人公が浮気をするシーンが出てきます。
浮気の原因になるキーワードは、「怒り」です。
主人公と浮気相手の両方が、怒りを抱えているのです。
その怒りの根源は、今のパートナーや過去のパートナーとの関係です。
つまり、「男女のパートナーシップがうまくいかずに発生した怒り」を内側に抱えた状態の男女2人が、引き寄せ合って出会ってしまうのです。
ちなみに、この怒りはどちらか一方が持っているだけではダメで、両者ともに怒りを持っているのが条件になります。
ストーリーの中では、主人公が一瞬、同僚の女性に性的な魅力を感じるシーンが描かれます。
そこで読者は、「あっ!もしやオフィスラブで不倫か?」と思うのですが、相手の女性が怒りを抱えていないために、特にくっつくことはありません。
その後、過去のパートナーへの怒りを持った女性が急に目の前に現れて、主人公は恋に落ちてしまうのです。
怒りから来る恋心はニセモノ
でも、この怒りから来る恋心は、実は表面的なものです。
激しい怒りの感情を溶け合わせて、精神的にラクになるために、2人は惹かれ合っている状態だからです。
怒りの感情は人間の感情の中でもすごく強いので、人を行動に駆り立てます。
一方で、ずっと激しい怒りを抱え続けるのは難しいです。
時間と共に怒りの感情は冷めていきます。
怒りが完全に消え去ることはなくても、最初は「燃えさかる超強火」ぐらいだった勢いの怒りが、時間と共にだんだん弱まってきます。
そして最後は、チョロ火ぐらいになる感じです。
そして、怒りのボルテージが下がるに従って、不倫相手への熱も冷めていきます。
その流れが、この本の中ではリアルに描かれています。
研究員シンヤの実体験
実は、この記事を書いている「男女のパートナーシップ研究所:研究員シンヤ」も、この本と同じような経験をしたことがあります。
僕の場合は当時独身で、相手の女性も離婚して間もない独身状態だったので、お互いに不倫というわけではありません。
でも、僕自身も直前に大きな別れを経験して心がすさんでいました。
心に負っている傷は、お互いに同じぐらいの深さだったと思います。
当時、その女性とは婚活パーティーで知り合いました。
今思い返せば、2人とも心に激しい怒りを抱えていました。
「なぜ、自分はパートナーシップでこんなに苦労するんだ?」
「人生フェアじゃない!」
「ひどいパートナーに、人生めちゃくちゃにされた!」
という激しい怒りを抱えた状態で、寂しさを紛らわせたくて婚活パーティーに参加していたのです。
一人になるのがツラ過ぎて家に居づらい、という精神状態でした。
怒りの引き寄せ
そしてその女性は、何と最初から僕の正面の席に座ったのです!
婚活パーティーの席順は、申し込みの先着順です。
①同じタイミングでパートナーとの別れを経験して、心に傷を負った状態。
②2人とも同じぐらいの激しい怒りを内側に抱えた状態。
③それでいながら、外側は穏やかに見える。
この3点が見事に一致した2人が、最初から向かい合わせの席になったのです。
これはまさしく「引き寄せの法則」としか考えられません。
最初の席が向かい合わせだと、話すチャンスが他の人達に比べて多くなります。
必然的に、カップリングされる確率も高くなるのです。
僕はその女性と数分話した後に、親近感を感じました。
後で分かったのですが、相手も同じ感覚だったそうです。
僕らはカップリングされて、そのままお茶をしに行きました。
そこで、お互いの身の上話になって、パートナーシップの怒りをぶちまけ合いました。
彼女はとても穏やかな表情と話し方でしたが、内側に僕と同じぐらい激しい怒りを抱えているのが見えました。
その怒りのパワーで意気投合し、お付き合いが始まりました。
怒りの鎮火が、恋の鎮火
最初のうちは順調でしたが、3ヶ月ぐらい経ったあたりから、お互いに急激に恋の熱が冷めていくのを感じました。
これにはおそらく、2つの理由があります。
①生物学的に、脳内に恋愛ホルモン(盲目にさせる物質)の分泌が減ってくる時期が、3ヶ月目~と言われている。
②時間が経って心の傷が癒え始めた。
というのが理由だと思われます。
特に今思い返すと、②の影響が大きいと思います。
怒りが冷めてきたら、僕らの間にはほとんど共通点がないことが分かりました。
結局、自然消滅のような形で、関係は終わりました。
神田さんの「成功者の告白」の本を読んだのは、その数年後のことです。
この本を読んだ時には、僕はとてもフィクションには見えませんでした。
おそらく、結婚後に不倫するケースも、同じような流れで恋愛感情の終焉を迎えるのでしょう。
次回は、もし不倫相手になりそうな相手(同じ怒りを持った相手)と出会ってしまった場合の対処法をご紹介します。
・・・つづく。
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