【夫婦が「謝れない壁」を超えるために大切なこと:謝れない男&謝らない女②】

 Fromシンヤ(男女のパートナーシップ研究所)

(→前回の続き)
「夫が妻を不機嫌にさせても謝らない」「妻もまた、夫に対しては謝れない」──。
夫婦関係の相談で、驚くほどよく耳にする話です。
「なんで素直にごめんって言えないの?」
「私ばっかり謝っている気がする」
こうした不満が積み重なると、心の距離は少しずつ広がっていきます。
結論から言うと、これは「性格が悪いから謝れない」のではありません。心理学的に、人は大切な相手にほど「謝りにくくなる」メカニズムを持っているのです。
男性は「謝る=自分の非を認める、敗北すること」と捉えやすい傾向があります。だからこそ謝るのが難しい。
一方で女性は「謝罪=関係修復の合図」として使うことが多いのに、夫には素直に謝れないことがある。それはなぜでしょうか。
実はここには、夫婦という特別な関係だからこそ生じる心理の壁があるのです。

なぜ妻も夫に謝れないのか?心理学的な背景

「謝罪は敗北ではない」と理解している女性でも、夫に対しては言葉が出てこない。その背景にはいくつかの心理的要因があります。

1.親密だからこそ立場を守りたくなる

他人には軽く「ごめん」と言えても、夫にはそう簡単に言えない。なぜなら親密な関係ほど「立場が下がる」感覚を強く意識するからです。親しい相手にこそプライドが働いてしまうのです。

2.公平性への強いこだわり

「私だけが謝るなんて不公平」「あなたにも悪いところがあるのに」という思いが、謝罪を止めてしまいます。これは心理学でいう equity(公平性)の理論 と一致します。人は関係が不公平に感じると、その不均衡を是正しようとするのです。

3.自己価値を守ろうとする防衛本能

謝罪することで「また軽く扱われるのでは」という恐れが生まれることがあります。これは「自己防衛的帰属」と呼ばれる心理の働きで、自分の価値を脅かされないよう無意識に防衛しているのです。

4.「気持ちをわかってほしい」という欲求

女性は特に「自分の感情を理解してほしい」という願いが強い傾向があります。だからこそ「まだ気持ちをわかってもらえていないのに謝るなんて納得できない」と感じ、謝罪を先送りにしてしまうのです。
つまり、妻が夫に謝れないのは「性格」ではなく、「心理の仕組み」によるものだということです。

夫婦が謝れない壁を超えるための5つのアプローチ

では、どうすれば夫婦が「謝れない壁」を乗り越えられるのでしょうか。ここからは実際に使える5つの工夫をご紹介します。

1.謝罪の意味を変える

「ごめん=私が悪い」ではなく、「ごめん=あなたを大事にしている」の合図だと共有しましょう。
例:「言い方がきつかったね、ごめん。あなたを傷つけたいわけじゃないんだよ」

2.公平性を緩める

「どちらか一方が悪い」と考えるのではなく、「お互い言いすぎたね」と言えるようになると、謝罪は敗北ではなく共同作業になります。

3.感情の承認を先にする

謝る前に「不安にさせちゃったよね」「怒らせちゃったよね」と気持ちを受け止めるだけで、謝罪がすっと伝わりやすくなります。

4.小さな謝罪を日常に散りばめる

「待たせちゃってごめん」「声が大きくなっちゃった、ごめん」など、日常の中で小さな「ごめん」を増やすことで、謝罪が“特別な敗北”ではなく“普通のやりとり”に変わっていきます。

5.謝罪を「ありがとう」に変える

「謝ると負け」と感じやすい相手には、「ごめん」ではなく「ありがとう」と伝えるのも有効です。
例:「聞いてくれてありがとう」「待ってくれて助かった」

まとめ:謝れない夫婦から、謝れる夫婦へ

謝罪は本来、どちらかが負けを認めるものではなく、関係を修復するための合図です。
•謝罪の意味づけを変える
•公平性に縛られすぎない
•感情を承認してから謝る
•日常に小さな謝罪を散りばめる
•感謝の言葉に置き換える
この5つを実践していくと、「謝れない夫婦」から「素直に謝れる夫婦」へと変わっていきます。
安心してください。謝るのが苦手だったとしても、夫婦で工夫すれば必ず越えられる壁です。むしろ、この壁を乗り越えたときにこそ、夫婦のつながりはより強いものになるのだと思います。

・・・つづく

 

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