【予想外に多いセックスレスの悩み②驚きの統計データ】

From シンヤ(男女のパートナーシップ研究所)

(→前回のつづき)

前回の記事では、日本の夫婦の実態を調べるアンケート結果で、セックスレスになっている夫婦が全体の64.2%だというデータをお伝えしました。

回答したくない、と答えた人たちも、高い確率でセックスレスになっていると思われるので、そこを算入すると、約7割になると言われています。

夫婦10組中、7組がセックスレスになっているということです。

今回の記事では、

「そもそもセックスレスは解消すべきなのか?」

「解消するには、どうしたらいいのか?」

を見ていきましょう。

2人ともセックスレスで問題ないなら、問題なし

「私たちはセックスレスでも問題ない」と夫婦が2人とも合意しているのであれば、問題はありません。

なぜなら、セックス以外の部分で結婚生活が満たされている状態なら、パートナーシップはうまくいっていると言えるからです。

セックスレスが問題になるのは、片方が「実は悩んでいる」時です。

そして、そのパターンは実はかなり多いのです。

「パートナーが自分のお願いを聞いてくれない」

というのは、よくある悩みです。

・夫が家事や育児をやってくれない。

・妻が家事を手抜きしているのが気になる。

・妻が不満ばかりぶつけてきて、ホメや感謝の言葉をまったくかけてくれない。

・夫が結婚記念日や私の誕生日をよく忘れる。プレゼントも用意していない。

・夫がいつも仕事で忙しくて、家にいない。

といった悩みは、割と口に出して言いやすい部分があります。

パートナーに「○○して欲しい」と直接言っている人も多いです。(それを聞き入れてもらえなくて悩んでいる人も多いのですが)

また、ガス抜きとして友人や同僚、家族などに愚痴をもらすこともしやすいです。

でも、セックスレスの悩みは、なかなか口に出しにくいです。

特に妻側が悩んでいる場合には、夫に直接言ったら、

「おまえ、そんなに性欲強いの?」

と言われそうで、怖い。(実際に言われてひどく傷ついた経験がある人も、一定数います)

また、友達や同僚、家族にも相談にしにくいトピックです。

そのため、一人で抱え込んでいる状態になりがちなのです。

パートナーがどう思っているのか?確認する人はほとんどいない

「うちはもう何年もセックスレスですけど、特に問題ありませんよ。」

と明るい表情で言う人もいます。

でも、その直後に僕たちが、

「奥さん(旦那さん)も、同じように感じているか、確認したことはありますか?今の状態でも、まったく問題ないと言われましたか?」

と聞いてみると、ほとんどの人が

「いや、直接話し合ったことはないけど・・・ちょっと話題に出しづらいですしねぇ。でも、特にケンカとかないし、夫婦円満にやっていると思いますよ。」

と答えます。

ここが大きな落とし穴です。

セックスレスで問題ないと思っている人は、

①「自分たちは多数派だ」という安心感があり、

②「自分はまったく問題ない」と思っていて、

③パートナーとセックスレスについて話し合ったことはなく、

④「たぶんパートナーも問題ないと思っているだろう」と勝手に予想していて、

⑤その根拠は「特に不満を言われず、夫婦円満にやっているから」と感じている。

という共通点があるのです。

そしてこれは、実はけっこう危険なパターンです。

ある日突然、離婚を切り出される

セックスレスに限らずですが、

「夫婦円満だと思っていたのに、ある日突然、パートナーから離婚を切り出される」

という経験をした人は、実はけっこう多いです。

「自分は相手にまったく不満がないし、自分で言うのもなんだけど、俺たちは仲良し夫婦だと思う。だから大丈夫!」

と思っていたら、その翌月に離婚届がテーブルに置いてあって、妻の姿がなくなっていた・・・

なんてことは、本当によくあることなのです。

特に、男性は脳の特性上、女性が密かに抱えている不満に気づきづらいので、このパターンになりがちです。

妻が発しているSOSのサインを見逃してしまうのです。

もちろん、女性も夫が密かに抱えている不満に気づけないことは多いです。

これを書いている僕自身も、実は同じ経験があります。

結婚相手ではありませんが、以前付き合っていた彼女とラブラブな1日を過ごして、「俺たちはお似合いのカップルだ!」と確信した1週間後に、彼女から別れを切り出されて、自分の耳を疑いました。

僕にとってはまさに「青天の霹靂」だったのです。

でも、よくよく話を聞いてみると、彼女が僕に見切りをつけたのは数ヶ月前にさかのぼることが分かりました。

僕が結婚に関して自分の考えをポロッと言った時に、それを聞いた彼女は「この人とは将来を考えられない。もうムリかもしれない。」と思ったそうです。

当時僕は20代で、結婚に対して否定的な意見(男が損する)を彼女の前でうっかり言ってしまったのでした。

その後も、数ヶ月間は悩みながら僕との付き合いを続けていたのですが、僕の目には彼女が不満を抱えているとは、まったく見えませんでした。

むしろ、これまでにないぐらいラブラブだと思っていたのです。

その時の体験から、僕は常に、

「パートナーが今の関係に満足しているのかどうかは、本音で話し合って確認しないと、分からない。」

と思うようになりました。

これは、長年寄り添った夫婦関係にも言えることです。

そして、セックスレスはパートナーの不満に最も気づきにくいジャンルだと思います。

「セックスレスであっても問題ないと言えるのは、お互いに本音で話し合って、このままで100%良いと合意が取れた時のみ」

と言えます。

そして多くの場合、確認してみたらパートナーは実は不満を抱えていた・・・というケースがほとんどです。

そこから先は、セックスレスを解消する努力が必要になります。

 

・・・つづく

 

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