【謝れない男&謝らない女⑧】

 Fromシンヤ(男女のパートナーシップ研究所)

(→前回の続き)

 

女性にとって、「夫が謝らない問題」を解決するカギは、「夫が謝る心理的ハードルを下げること」です。

男性にとっては、「謝る=自分が論理的に間違っていることを認める=敗北」を意味します。

そして、謝るためにはプライドを投げ捨てる覚悟が必要です。

そして困ったことに、パートナーシップでは「どちらが正しいか?」で論争になりがちです。

また、女性側も勝ち負けステージに入ることで、「謝ったら負けモード」に入ってしまいます。

でも、前回の記事でお伝えした通り、女性は「相手から自分の感情を理解してもらえている」と感じない限り、夫から謝罪されても気持ちが収まりません。

一方、男性側も、仕事ではお客さんや上司に素直に謝れている人でも、ことパートナーシップとなると、とたんに「謝れないモード」に入ってしまいます。

特に、普段からケンカしている状態であれば、謝ったら自分のポジションが下になるという恐怖があるのです。

そのため、たとえ冷静に考えたら自分が悪かったと一瞬気づいても、それを打ち消して「悪いのはおまえだ」みたいな態度で強硬姿勢を崩さないことが多くあります。

男性が謝るハードルを下げるコツ

そんな中で、男性が謝るハードルを下げるために妻側ができるコツとしては、「謝ることの定義を塗り替えること」です。

・私に謝ることは、あなたの考えや理論が間違っていることとは別物である。

・謝ってもらうことで、私の気持ちは落ち着く可能性が高い。

・謝ること自体が、今の状況の解決策になる。

といったことを、言葉で伝えるのです。

もちろん、効果には個人差がありますが、少なくとも「どっちが正しいか合戦」をするのに比べたら、やる価値があります。

ちなみにこれは、実際に僕たち夫婦シンヤ&サヤの間でもよくやる方法で、かなり有効だと感じています。

僕は冷静な時にはこうして謝罪の方法を説明できますが、いざサヤとケンカして自分の感情が揺れ動くと、とたんに本能が発動して、

「俺は間違ってない!理不尽なのはサヤの方だ!俺はこの不当な状況に対して、決して屈しない!」

と、脳が戦闘モードに入ってしまいます。

しばらくバトルした後に、サヤがこう言ってきます。

「今できる解決策は、正しさを主張することじゃない。解決策は、私をギュッとしながら、『サヤ、ゴメンな』と言うこと。それで丸く収まる。」

と、言語化してきます。

男性脳は「解決策」という言葉に反応するので、僕はここで少し冷静さを取り戻します。

そして、こう考えます。

(確かに、今は夜遅い時間だし、このままケンカ状態では興奮してお互いに寝付けないだろう。さらに、この状態で俺が先に寝ることを、サヤは許さないだろうな。このまま長時間言い争っても、睡眠時間が削られて自分で自分の首を絞めることになる。この場での最善策は、ゴメンを言うことか・・・しかし俺は間違っていない!・・・あっ!そうだ、間違っているかどうかは関係ないんだった。)

と、だんだん冷静になっていきます。

そして、この場を納めるためだけに、いったん言われた行動を取る=サヤをギュッとしながら「ゴメンよ。」と言ってみるのです。

感情を説明する

次のステップとして、サヤは僕に自分の感情を説明してきます。

「私が○○した時に、シンヤは○○と言った。それが悲しかった。悲しかったから、反射的に○○と言った。そしたら、シンヤが怒ってこうなった。正しいかどうかじゃなくて、私を傷つけたことに対してゴメンと言ってくれた、落ち着くと思う。」

こんな風に口で説明されると、僕も状況が分かってきます。

「そうか、俺はいきなり攻撃されたと思ったけど、実は自分から先にサヤを傷つけていたのか。そこに関して謝ったら、サヤの傷は癒えるということか。」

そうなると、僕ももう、自分の理論的な正しさに対するこだわりを手放す準備ができます。

そして、「そうだったのか・・・悲しい思いをさせてゴメンよ。」と言えます。

(※ちなみに、僕は最初の頃はこのセリフも出てこなかったので、サヤが具体的に「こう言って」と指示してきて、僕はそれを反復するだけでした。それでも、サヤにとっては「言わないよりマシ」という感情になるようです。)

このやりとりをすると、サヤの感情が落ち着いて、その夜のケンカを翌朝まで引きずることはなくなるのです。

場合によっては、サヤの方も「私の方こそ、ゴメンね。」と言ってきて、僕の感情がさらに落ち着くこともあります。

ちなみに、最近だとサヤの方から先に「さっきは感情が爆発しちゃった・・・ゴメンね。」と言ってきて、驚きました。

サヤもまた、謝罪が上手になっていると感じます。

もちろん、このやりとりができるようになるまでには、訓練が必要です。
でも、やり方を分かっていれば、少なくとも「やるか、やらないか」の選択肢がある状態になります。

八方塞がり状態から抜け出せるのです。

謝罪も技術のうち

僕はこれまで、サヤとのケンカと謝罪を繰り返すうちに、謝罪も技術のうちだということに、気づきました。

最初からうまくできるわけではなく、何度も繰り返しながら、徐々に上達していくジャンルなのです。

自分の本能が爆発して、「絶対に謝らないぞモード」に突入した時に、いかに男性のもう1つの本能である「問題解決モード」を発動させて、ゴメンを言うことができるか?

それは、繰り返すことでのみ、到達できる技術です。

女性にとっても、「私の感情を理解して欲しい」という本能を言葉で説明することで、欲しい結果が得られることがあります。

もちろん、最初からうまくいくことを期待すると、裏切られることもあります。

ただ、少なくとも何もしないよりは、良い結果が得られる確率が上がるでしょう。

「謝罪も技術のうち」と脳裏に刻んでおくだけでも、きっと次回の夫婦ゲンカの流れが変わるはずです。

お試しください。

(完)

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