【謝れない男&謝らない女⑦】

 Fromシンヤ(男女のパートナーシップ研究所)

(→前回の続き)

 

前回の記事では、多くの男性の悩みである、

「謝ってるのに、妻の機嫌が直らない」

「何度も謝った過去の出来事を、今でも何度も引き合いに出されて、そのたびに謝らせられる。もう、うんざり!」

「いつも妻は俺に謝れと言ってくるくせに、自分からは絶対に謝らない」

といった現象の理由と、解決策をお伝えしました。

女性にとっての謝罪の意味は、男性とは意味合いが違います。

女性にとって謝罪は、「人間関係の修復手段」です。

男性が、屈辱に耐える表情でイヤイヤ謝っても、女性は納得しません。

女性に謝罪する時のポイントは、「共感と寄り添い」です。

女性が怒っている時は、心が傷ついた時です。

その傷に寄り添い、共感し、

「俺の行動が、こういう形で君を傷つけてしまったね。きっとこういう気持ちになったよね。ゴメンね。」

という謝罪ができると、女性は納得します。

そして、先ほどの悩みもすべて解消します。

・謝ってるのに、妻の機嫌が直らない
  ↓↓↓
1回の「ゴメンね」で、機嫌が一発で直る

・何度も謝った過去の出来事を、今でも何度も引き合いに出されて、そのたびに謝らせられる。もう、うんざり!
  ↓↓↓

過去の感情のわだかまりが解けると同時に、過去の出来事も忘れ去っていく。

・いつも妻は俺に謝れと言ってくるくせに、自分からは絶対に謝らない。
  ↓↓↓
「私の方こそ、ゴメンね。」という言葉を引き出せるようになる。

一度、騙されたと思ってやってみてください。

きっと、結果に驚くことになります。

女性が男性に謝らせたい時のコツ

では逆に、あなたがの女性の場合も見てみましょう。

「うちの旦那は、絶対に謝らないのよ!どんなに私が怒っても、絶対に自分の非を認めて謝らないんだから!」

「うちの旦那は、強く言えば一応謝ってくるけど、すごく投げやりな態度でムカつく。謝ればいいんだろ?って態度が見え見えで、余計に腹が立つ!」

「うちの旦那は、すぐにヘコヘコ謝ってくるけど、何に対して私が怒っているのか、何も分かってない。謝られても、イライラする!」

という悩みを解消する方法です。

男性にとっては、「謝罪=論理的に間違っている」という図式が成り立ちます。

また、「間違い=敗北」という図式もあるため、男性にとっては、

「謝罪=敗北感、屈辱感」

という感じになります。

社会的ステータスを重視する生き物である男性にとって、最も味わいたくない感情が、「敗北感と屈辱感」なのです。

男性が謝罪に対して持つ強烈な感情

僕が以前、結婚改善カウンセリングを始める前に、プライベートで出会った既婚男性が、こんなことを言っているのを聞きました。

「妻が、私に土下座させたんですよ!信じられませんよね!夫に土下座させる妻なんて!もう18年前の話ですが、私はあの時の屈辱をずっと忘れない。今、妻はそんなことすっかり忘れているようですが、私は今でも忘れられないんです。子どもが成人したと同時に、離婚届を突きつけるって決めています。あと2年、耐えるつもりです!」

ということを言っていました。

ケンカの原因は忘れましたが、よくある「子どもが小さい頃に、夫が仕事に打ち込んで、妻がワンオペ状態で限界を迎えてキレる」というパターンに近かったと思います。

その男性は、周りの人達にも何度も同じ話をしているらしく、会社の同僚の人達もこのことをみんな知っていて、離婚のカウントダウンを一緒にしてもらうんだ!と言っていました。

僕はこれを聞いた時に、「これこそ、まさに男性にとっての謝罪がどれほどの屈辱感を生むかの好例だ!」と思いました。

人間関係を修復するために「ゴメン」を使う女性とは、まったく違う意味合いがあるのです。

それこそ、何十年も引きずるほどの怒りをため込むきっかけになるほど、男性にとっての謝罪は大きな屈辱感を植え付けます。

このケースは、土下座までさせたということなので、普通の謝罪とは違いますが、おそらく奥さんも、自分の感情を理解してもらえない苦しみから、そのような強行策に出たんだと思われます。

とはいえ、おそらく20年前の話を持ち出されるとは、思ってもいないでしょう。

男性は女性と違って、「あのとき、君は俺に土下座させたよな!」みたいに、何度も同じ話を引き合いに出すことはありません。

そうではなく、怒りの感情と共に心の奥底にしまい込んで、いざという時に爆発させるパターンが多いのです。

そういう意味では、女性も男性の秘めた怒りに気づかないことが多いのかもしれません。

だからといって、男性から謝ってもらうのを諦める必要はありません。

まずは、この男性にとっての「謝罪の意味づけ」を知ることが、男性にうまく謝ってもらうためのコツにもなるからです。

 

・・・つづく

 

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